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2023/02/01 12:12

2023年1月26日から29日に行われた第50回アングレーム国際漫画祭の受賞作品をご紹介したいと思います。
公式ページはこちらから→https://www.bdangouleme.com/palmares-2023


①Prix du Meilleur Album(最優秀作品賞)…その年でもっとも優れた漫画作品とその作者に贈られる賞です!
『La couleur des choses』Martin Panchaud
14歳のぽっちゃりしたイギリス人少年サイモンは、父の貯金を密かに1頭の馬につぎ込み、1600万ポンド以上の賞金を獲得する。しかし、帰宅してみると、母親は昏睡状態にあり、父親は失踪したと警察から告げられる。未成年であるサイモンは、賭け金を現金化することができない…。母親に何があったのかを知るため、そして現金を得るために、気弱なサイモンは父親を探しに行く。
遠近法を使わずにすべて鳥瞰図で描かれ、すべての登場人物が色のついた丸で表されている斬新な構成もみどころです。
②Prix Spécial du Jury(審査員特別賞)
AnimanAnouk Ricard
動物に変身して捜査を行うフランシスの生涯を面白おかしく描く。ユーモア、探偵小説、スーパーヒーロー、家族の物語など、さまざまなジャンルが混ざり合ったユニークな短編集。

③Prix spécial jury jeunesse (審査員特別賞 児童向けBD)
Toutes les princesses meurent après minuitQuentin Zuttion
ダイアナ妃がパリで亡くなり、夏休みが終わろうとしている頃、8歳のルルはブロンドの隣人と恋に落ち、10代の姉は失恋し、両親は別居中でそれぞれの夏を過ごしている。欲望の目覚めから色あせた情熱まで、人生を変える晴れの日に、家族の愛の肖像が描かれる......。
対象年齢14歳以上。

④Prix de la Série(シリーズ賞)
『Les Liens du sang T.11(血の轍11巻)』押見修造
母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。静子によって狂瀾の奈落へと!

⑤Prix Révélation (新人賞)
『Une rainette en automne(秋のアマガエル)』Linnea Sterte
小さなカエルは、花の幽霊を捕らえた2匹のさまよえるヒキガエルと出会った日、彼らと一緒に南へ行くことを決心する。その道中、さまざまな動物たちと出会い、人生というものをシンプルに知っていく。
メビウスや宮崎駿のグラフィックの世界と呼応する軽く繊細な線によって描かれた、ポエムのような物語。

⑥Prix du Patrimoine(遺産賞)…復刊された過去の作品に授与えられます。
『Fleurs de pierre(石の花)』坂口尚
第二次世界大戦時、ナチス・ドイツの侵攻を受けたユーゴスラビアを舞台にした「戦争大河」作品で、極限状況にありながら理想を求める若者の生き方を描く。

⑦Prix Jeunesse(児童BD賞)
『La longue marche des dindes(七面鳥の長い行進)』Léonie Bischoff
アメリカ西部の真ん中で15歳のサイモンは、骨付き七面鳥のターキーレッグがデンバーでは本国の20倍の価値があると知り、1000羽の七面鳥の群れを大都市デンバーまで連れていくことを決意した。出会いや危険に満ちた長い道のりで、自分の道を見つけ、成長していく。キャスリーン・カールの小説を見事にコミック化したこの作品は、自己の主張と他者に対しての寛容さを教示してくれます
対象年齢10歳以上。
⑧Prix de la Bande Dessinée Alternative(オルタナティブBD賞)
Forn de Calç』Alex Purcet Grelori (スペイン)
⑧Fauve Polar SNCF(SNCFミステリー賞)
『Hound Dog(ハウンドドック)』Nicolas Pegon
朝起きると、セザールのベッドの足元には一匹の犬がいた!?なぜここにいるのか、誰のものなのか。探偵ごっこが楽しくて仕方がない相棒のアレックスと一緒に、動物の飼い主を探すのだが…。
⑨Prix du Public France Télévisions(フランステレビ視聴者賞)
『Naphtaline(ナフタリン)』Sole Otero
2001年、アルゼンチンは深刻な政治・経済危機の真っ只中にあった。19歳の少女ロシオは、祖母ヴィルマの葬儀の後、ヴィルマの古い家に引っ越してくる。そして、ロシオは1920年代のイタリアから始まる悲劇とともにヴィルマの生涯を回想していく。ヴィルマの両親は、彼女が生まれて間もなく、ムッソリーニが政権を握ったときに国外に逃亡した。
無一文でアルゼンチンにやってきた彼らは貧しく、ヴィルマは学校にも行けず、妊娠して近所の人に嫁がされ、捨てられる。ロシオ以外の家族のほとんどと縁を切り、孤独な生涯を終えたヴィルマ。自分の将来について多くの疑問を抱く少女は、この家族の悲劇から何かを学ぼうとする。

⑩Fauve des Lycéens(高校生BD賞)
『Khat : Journal d'un réfugié』Ximo Abadía
2018年、エリトリア出身の少年ナタンは、アフリカの祖国を離れ、ヨーロッパに避難することを決意する。そして、同じように苦難と飢えから逃れてきた何百人もの移民たちとともに、彼はスペインに到着した。すべてを捨てて新しい人生を歩む移民たちの日常を映し出した、旅立ちの物語。

⑪Prix Éco-fauve(エコロジーBD賞)
『Sous le soleil(太陽の下で)』Ana Penyas
1969年から2019年にかけてのコスタブランカのバレンシア周辺を舞台に、3世代にわたる家族の物語を通して、漁業や農業といった伝統的な活動の消滅する一方、海岸線の開発・不動産投機・観光開発の発展がもたらす破滅的な結果を私たちに伝える。

以上、9つの作品が受賞作品となりました。気になるものはありましたでしょうか?