ソフィー・ゲリブによるシリーズ第2巻で、哲学的寓話とユーモアがさらに深まる一冊です。
クマのチューリップは「旅に出たい」と夢見ながらも、いつも何かに引き止められています。仲間のヴィオレットやクロクスの奇妙な冒険、そして動かない木の存在が、彼の旅を阻むのです。
物語は、ある日現れた「卵」という謎の存在を中心に展開します。孵化しない卵、穴から出てこないコウモリ、空を怖がる鳥など、登場するキャラクターたちはそれぞれの不安や葛藤を抱えながら、静かな日常の中で哲学的な問いを交わします。「千里の道も一歩から」と言われても、その一歩がどれなのか分からない…そんな曖昧さが、物語の魅力です。
この巻では、実際に遠くへ旅することは少なく、「動かない旅」や「心の旅」が描かれます。読者は、チューリップたちのやりとりを通じて、自分自身の内面を旅するような感覚を味わうでしょう。詩的でユーモラス、そしてどこか切ないこの作品は、読む者に優しい問いかけを残します。
Les Voyages de Tulipe
Sophie Guerrive (Auteur)
Éditeur : 2024
Date de publication : 18 novembre 2017
Édition : Illustrated
Langue : Français
Nombre de pages de l'édition imprimée : 112 pages
ISBN-10 : 2919242814
ISBN-13 : 978-2919242818
Poids de l'article : 332 g
Dimensions : 18.3 x 1.2 x 23.3 cm