『チューリップ』は、ソフィー・ゲリブによるシリーズの第1巻で、哲学的寓話とユーモアが織り交ぜられたバンド・デシネです。
物語の中心には、木の下で静かに佇むクマのチューリップがいます。彼の周囲には、常に不安を抱えるヘビのクロクス、太陽に恋する鳥のヴィオレット、そして自分がただの石であることに絶望するカイユなど、個性豊かな仲間たちが登場します。
それぞれのキャラクターは、人間の弱さや悩みを象徴しており、日常の小さなトラブルや大きな葛藤が、詩的かつユーモラスに描かれます。クロクスが言う「Une pause crêpe et ça ira.(クレープ休憩があれば、なんとかなる)」という言葉に象徴されるように、物語は軽やかさと深い洞察を併せ持っています。
『ピーナッツ』や『マファルダ』の系譜に連なるこの作品は、トルコ民話の登場人物ナスル・エディン・ホジャのような寓話的語り口で、読者に笑いと哲学的思索をもたらします。チューリップは、私たちの神経症や滑稽さ、そして時に輝く人間性を映し出す鏡のような存在です。シリーズの幕開けとして、静かな感動と余韻を残す一冊です。
Éditeur : Editions 2024
Date de publication : 10 mai 2019
Édition : Illustrated
Langue : Français
Nombre de pages de l'édition imprimée : 160 pages
ISBN-10 : 2901000126
ISBN-13 : 9782901000129
Poids de l'article : 438 g
Dimensions : 18.3 x 1.6 x 23.3 cm