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エンキ・ビラルの野心的なSFシリーズ、待望の完結編となる本作は、デジタル文明が崩壊した近未来を描く壮大なサーガの最終章です。
2041年、全世界からあらゆるデジタルデータが消失する「バグ」が発生し、人類がアナログな生活への逆行を余儀なくされる中で、全人類の記憶(アーカイブ)を脳内に宿してしまった男、カメル・アブ・ロベスを巡る争奪戦がついに決着を迎えます。本作では、地球上の政治的な混乱や火星探査といったSF的要素が複雑に絡み合いながら、人類にとって「記憶」とは何か、「過去を失った未来」に何が残るのかという根源的な問いが、ビラル独自の冷徹かつ詩的な視点で描かれます。
ビラルのアートは、今作でもその唯一無二の存在感を放っています。あえて彩度を抑えたパステルと鉛筆によるテクスチャは、デジタルが消えた世界の「埃っぽさ」や「体温」を表現しており、まるで一枚の壁画のような重厚な美しさを湛えています。また、ビラルが常に描き続けてきた「ハイブリッド(混ざり合うもの)」というテーマが、この完結編において、肉体とデータ、人間と宇宙というスケールで結実している点も特筆すべきです。
BUG T.4
Enki Bilal
Éditeur : CASTERMAN
Date de publication : 29 octobre 2025
Édition : Illustrated
Langue : Français
Nombre de pages de l'édition imprimée : 80 pages
ISBN-10 : 2203273453
ISBN-13 : 978-2203273450
Poids de l'article : 510 g
Dimensions : 19.2 x 1.3 x 26.9 cm