エンキ・ビラルの代表作の一つである「モンスター四部作」の第2章に当たる本作は、崩壊したユーゴスラビアの記憶と、バイオテクノロジーが暴走する近未来を交錯させた、極めて独創的で予言的なバンドデシネです。
物語は、サラエボの孤児院で共に育った3人の孤児、ナイキ、レイラ、アミールの運命を軸に展開します。彼らは離れ離れになりながらも、脳の特殊な能力や宿命的な絆によって結ばれています。本作のタイトル「12月32日」は、現実の時間軸が歪み、悪夢のような幻視が現実を侵食していく世界の象徴です。宗教的狂信主義や、肉体と機械が融合する「ハイブリッド化」が進む中で、主人公たちは自らのアイデンティティと人類の行方を探る過酷な旅を続けます。
ビラルのアートは本作でさらなる進化を遂げています。鉛筆のざらついた質感と、アクリルやパステルによる重層的な色彩は、退廃的でありながら崇高な美しさを湛えています。特に、冷たい「青」と、血や熱を感じさせる「赤」のコントラストが、凍てついた未来社会の孤独と熱狂を鮮烈に描き出しています。
Monstre: 32 décembre - Deuxième acte 2
Enki Bilal
Éditeur : CASTERMAN
Date de publication : 28 avril 2006
Langue : Français
Nombre de pages de l'édition imprimée : 64 pages
ISBN-10 : 9782203353350
ISBN-13 : 978-2203353350
Poids de l'article : 100 g
Dimensions : 24 x 1.2 x 32 cm