本書は現代人の抱える孤独や割り切れない感情を、擬人化された動物たちの姿を借りて、ユーモラスかつ哲学的に描き出した短編集です。
物語の舞台となるのは、街の片隅にひっそりと佇む「心の相談室」。そこには、恋愛の悩み、自己嫌悪、将来への不安、あるいは名付けようのない虚無感を抱えた、さまざまな悩める「生き物」たちが訪れます。相談員は、彼らの話を遮ることなく、時にシュールな助言を、時に残酷なまでに鋭い真理を投げかけます。ゲリヴの描く対話は、一見すると淡々としていますが、その行間には現代社会を生きる私たちが無意識に蓋をしている「心の痛み」への深い洞察が溢れています。
アートスタイルは、中世の細密画や古い版画を思わせるような、細かく均一なラインで構成されています。このクラシックでどこか温かみのある絵柄が、語られる物語のシュールさや、時にはシニカルな毒気と絶妙なコントラストを生み出しています。かわいらしい動物たちが、あまりに人間臭い悩みやエゴを吐露する姿は、読者に不思議な安らぎと、自分自身を客観視するような知的興奮を与えてくれます。
Le bureau des coeurs
Sophie Guerrive
Éditeur : 2042
Date de publication : 17 octobre 2025
Édition : Illustrated
Langue : Français
Nombre de pages de l'édition imprimée : 190 pages
ISBN-10 : 2487849126
ISBN-13 : 978-2487849129
Poids de l'article : 1 g
Dimensions : 16.7 x 2.5 x 21.2 cm