『エデン』は、ソフィー・ゲリブによる哲学的で詩的なバンド・デシネで、シリーズ「チューリップ」の世界観を継承しながらも、独立した物語として展開されます。
主人公は、修道院に暮らす穏やかなクマのチューリップ。彼は、プリウール・コスモスの説教に耳を傾けながら、静かな日々を過ごしています。生活は「説教の時間」「スープの時間」「昼寝の時間」といった単純なリズムで流れていきます。
ある日、チューリップが木の下でまどろんでいると、その木から「本当のエデンの園を探す勇気があるか?」という問いかけを受けます。この挑戦に応える形で、チューリップは旅に出る決意をします。道中では、奇妙なキャラクターたちとの出会いや、予想外の発見が彼を待ち受けています。旅の終わりにエデンが存在するかどうかは重要ではなく、むしろその過程こそが意味を持つのです。
中世的な舞台設定の中で、ゲリブはチューリップの内面の旅を繊細に描き、読者に「目的地よりも旅そのものが大切」という静かなメッセージを届けます。ユーモアとスピリチュアルな問いが交錯するこの作品は、シリーズの中でも特に深みのある一冊です。
アングレーム2023ノミネート作品です。
Eden
Sophie Guerrive
Éditeur : Editions 2024
Date de publication : 21 octobre 2022
Édition : Illustrated
Langue : Français
Nombre de pages de l'édition imprimée : 88 pages
ISBN-10 : 2383870269
ISBN-13 : 978-2383870265
Poids de l'article : 520 g
Dimensions : 20 x 1.5 x 25.4 cm